事業法監査で重大な違反を発見!|国家公務員 キャリアガイド(29)
私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。
2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。
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名もなき国家公務員の物語
事業者の管理監督業務
事務所では総務業務だけではなく法令に基づく事業者の管理監督業務も行いました。
事務所の人員も限られていることから、本局2課で経験した業法に加え、全部で5業法取り扱うことになりました。
「事務所って本局よりもハードじゃないの?」と思うかもしれませんが、本局より管轄エリアが狭く事業者数も限られているので相談に応じることも事務処理することも多くありません。
そして困ったことや分からないことがあったら本局の担当課担当係に相談すればいいので、精神的負担も大きくありません。
事業法監査の選定
本局では監査先は係長が選定していましたが、事務所では課長と私(係員)しかいないので監査先の選定は私がすることになりました。
数年監査にいっていない事業者、仕事を始めて2,3年の事業者をピックアップしました。
本局に選定事業者を報告し、監査実施の公文書を発行してもらいました。
その後、事業者に連絡をとり、監査日程のアポイントメントをとりました。
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アポイントメントの苦労話
管轄するエリアに島があったのですが、島の事業者にアポをとるのは一苦労でした。
まず電話がつながらない。
電話がつながっても「身内に不幸がありまして」とアポがとれない。
この島では事務所から連絡があると、親戚が急病になったり、亡くなってしまったりするそうです。
以前亡くなったはずの方が蘇ってまた亡くなるなんてこともありました。
島の事業者の監査
本局ではしっかりとした会社に監査に行っていましたが、島の事業者の監査は自宅兼会社で行われました。
お昼御飯の用意をしている横で書類をチェックするなどちょっと申し訳ない気持ちになりました。
島はノーヘル・2人乗りで原付を運転するなど異世界な光景が拡がっていました。
昼食をとるのは中華料理屋1か所しかありませんでしたが、中華料理屋に行くのが島へ出張することの楽しみの1つでした。
事業法監査で重大な違反を発見
ある業法の事業法監査をしていると重大な違反を発見する機会がありました。
正規の手続きをしていないにも関わらず業法の規制のかかる仕事をしていたのです。
書類チェック前の現場案内してもらっているとき、なんとなく違和感がありました。
書類チェック中にとぼけた感じで質問すると悪気もなく実態を話してくれました。
書類チェックを終えると、課長と二人で打ち合わせをして業法違反であることの確認をしました。
そして課長から事業者に最終事実確認をしてもらいました。
事業者は悪気なくやっていたのですが違反は違反です。
直ちに是正し後日是正報告書を提出するように指導しました。
業法違反は一見誰も不利益を被っていないように見えるものもありますが、業法で規制しなければ長期的にみると国民の生活に悪影響を及ぼしてしまいます。
公平中立な立場で法令を監理する公務員の責任の重さを改めて感じた出来事でした。
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