お産も最終段階に、慌ただしい空気の分娩室|思いがけず まさかの3人目妊娠(22)

平成29年10月。 思いがけず まさかの3人目妊娠が発覚しました。

第三子を受け入れていく普通の夫婦の姿を「夫」の視点で描いています。

私たちと同じ境遇で苦しんでいる方、子どもを産むことは決めたけど不安な方の一助になれば幸いです。

 

「へその緒を切りますか?」立ち会い出産を希望すると聞かれます

分娩室に戻ると、分娩台の妻がお産の最終姿勢でスタンバイしていました。

 

助産師さんも実習生も慌ただしく準備を始めました。

機材を次から次に運んでいました。

 

「ご主人、へその緒は切りますか?」

助産師さんが話しかけました。

 

どうしようかな…と一瞬ためらいましたが「せっかくの機会なのでお願いします」と返事をしました。

 

機械をみると陣痛の周期も5分間隔から2分間隔に短くなっていました。

痛みが強くなってきたのか実習生だけでなく助産師さんも介助するようになりました。

 

さらに30分が経過し、時間は11時になりました。

 

出産間近になり「ナースコール持っといて!」

「ご主人、ナースコール持っといて」

助産師さんが大きな声で言いました。

 

左手にナースコール、右手にビデオカメラ。

両手がふさがってしまいました。

 

11時過ぎると陣痛の周期は、1分間隔とさらに短くなりました。

 

今まで声を出すこともなかった妻が苦しそうに声を上げていました。

 

リラックスの呼吸→いきむ→リラックスの呼吸→いきむ→・・・

何度も繰り返されました。

 

破水させる器具が入れられ何かがはがれ出てくるのが見えました。

確実にお産は進んでいると思いましたが、いつまで妻は苦しまなければならないのか。と胸が苦しくなりました。




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出産もいよいよ大詰め「ナースコール押して!」

さらに20分が経ち時計は11時20分。

 

「ご主人、ナースコール押して!」

助産師さんがゴーサインを出すかのように声をかけてきました。

 

ボタンを押すと、すぐに応援の助産師さんが駆け付けました。

 

妻は尋常じゃないほどの汗をかき、苦しむ声も大きくなっていきます。

体力もどんどん奪われ、震えながら必死にいきんでいました。

 

「ご主人お茶飲ませてあげて」

「ご主人タオルで汗拭いてあげて」

 

助産師さんに言われるがまま私も必死に動いていました。

 

テレビドラマで、夫が立ち会い出産する場面で、タオルで汗を拭こうとして「邪魔!」と怒られているシーンが頭に浮かび、ちょっと笑ってしまいました。

 

妻には「邪魔!」とも「何笑ってんの!」ともそのときは言いませんでしたが、後で「笑ってでしょ?」と言われました。

ドラマのシーンが頭に浮かんだと話すと「そうだと思った」と冷静に分析されていました。

 

産婦人科医が登場

そうこうしている内に産婦人科医がやってきました。

「もうすぐ生まれそうだね」と先生も準備を始めました。

 

ビデオの準備

その言葉を聞いて、私もすぐにビデオの準備を始めました。

 

赤ちゃんが取り出される瞬間を正面から撮れて、妻の下半身が映らないアングル。

 

妻の頭上から2歩くらい下がった位置でカメラを持ちました。

分娩室に入った時点で位置取りの想定はしていたのでスムーズでした。

 

ビデオ撮影するようにお達しをうけていたので、「自分のできることをしよう!」と私も案外冷静でした。

 

10時半から50分はあっという間でしたが、そこからは時間の流れが遅く感じました。

 

早く生まれてきてくれ!

その瞬間がやってくるのを静かに待ちました。

 

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