「源泉徴収ありの特定口座」確定申告で所得税が戻ってくるケースを具体例を交え検証

平成29年度税制改正により、「上場株式等の配当所得等及び譲渡所得等について」平成29年4月1日から所得税と個人住民税(市民税・県民税)で異なる課税方式を選択できることが明確化されました。

早速、平成29年の所得税の確定申告+平成30年の市県民税の申告に挑戦しました。

 

今回は

  • 特定口座の取引
  • 所得税の確定申告をした方がよいケース

についてまとめました。

↓ ↓

源泉徴収ありの特定口座で取引したら

私は株の売買、配当の受取を証券会社で開設した特定口座内で行っています。

 

特定口座は「源泉徴収あり」を選択すると、特定口座内の取引に関しては、確定申告をする必要がありません。

 

確定申告する必要はありませんが、確定申告することで有利になることがあります。

源泉徴収された所得税や住民税が戻ってくる可能性があります。



特定口座で利益が出たら税金が天引きされる

「源泉徴収あり」を選択した特定口座で、配当を受け取ったり、株で儲けたり、利益が出てたとします。

その利益に対して、所得税15.315%、住民税5%が天引きされて、残りが口座に振り込まれます。

 

10,000円の配当を受け取る場合

  • 配当  10,000円
  • 所得税 ▲1,531円(天引き)
  • 住民税 ▲500円(天引き)
  • 振込額 7,969円

10,000円全額ではなく、所得税・住民税が天引きされ7,969円が振り込まれるのです。

確定申告で「所得税」が還付されるケースは?

特定口座内の取引の利益は、所得税率15.315%で源泉徴収されます。

 

特定口座内の取引の利益は「株が買ったときよりも値上がりして儲けた利益」と「株の配当をもらう利益」の2パターンに分類されるので、それぞれ検証します。

 

株が買ったときよりも値上がりして儲けた利益

「株が買ったときよりも値上がりして儲けた利益」は「譲渡」の利益となります。

 

「譲渡」の利益は、給与など他の収入とは関係なしに「譲渡」の利益だけで、税率15.315%で所得税を計算をします。

そのため、申告したからといって追加で所得税を支払うことはありません。

 

一方で、特定口座取引で源泉徴収された所得税が戻ってくることはあります。

具体的には、住宅借入金等特別控除を上限まで使い切れていないときです。

 

株の配当をもらう利益

「株の配当をもらう利益」を確定申告する場合は、給与など他の収入の合算して確定申告することになります。

専門的に言うと「配当所得を総合課税で申告する」場合です。

 

その場合、源泉徴収された所得税が戻ってくることがあります。

1. 所得税の課税所得金額が330万円以下の場合

課税所得金額に対して税率10.21%の所得税を支払う必要があります。

すると、源泉徴収税率15.315%と税率10.21%の差分5.105%が戻ってくることになります。

 

2.所得税の課税所得金額が195万円以下の場合

課税所得金額に対して税率5.105%の所得税を支払う必要があります。

1.のケースと同じく、源泉徴収税率15.315%と確定申告税率5.105%の差分10.21%が戻ってくることになります。

 

10,000円の配当のケース

所得税の課税所得金額が330万円以下の場合は510円

所得税の課税所得金額が195万円以下の場合は1,021円

 

それぞれ所得税が戻ってきます。

 

3.所得税の課税所得金額が330万円を超える場合

逆に所得税の課税所得金額が330万円を超えると、申告することで所得税を追加で払わなければならない可能性があります。



確定申告で「所得税」が還付される人の具体例

課税所得金額330万円以下の人の具体例

  • 通勤手当を含まない給与の総支給額600万、社会保険料90万、独身
  • 通勤手当を含まない給与の総支給額700万、社会保険料105万、妻扶養

 

課税所得金額195万円以下の人の具体例

  • 通勤手当を含まない給与の総支給額420万、社会保険料63万、独身
  • 通勤手当を含まない給与の総支給額480万、社会保険料72万、妻扶養

割と該当する方は多いのではないでしょうか。

なお、社会保険料は給与収入の15%で計算しています。

 

根拠となる資料

 

 

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