自分でする確定申告「認定住宅新築等特別税額控除」私の事例をもとに適用条件・必要書類について解説

平成30、31年に「認定住宅新築等特別税額控除」の確定申告をしたときの体験談をまとめました。

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認定住宅新築等特別税額控除とは?

認定長期優良住宅を新築したり、購入したりしたとき、普通の住宅を認定長期優良住宅にするために上乗せして払った費用の10%に相当する金額を、その年におさめる所得税額から控除するものです。

 

認定住宅新築等特別税額控除の適用要件

  1. 認定住宅の新築または誰も使っていない認定住宅の購入
  2. 新築又は取得の日から6か月以内に住み始めていること
  3. 合計所得金額3千万円以下
  4. 床面積50平方メートル以上(基本的に登記簿に表示されている床面積で判断します)半分以上を自分が住むためにつかっていること
  5. 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3)及び居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35(同条第3項の規定により適用する場合を除きます))の適用を受けていないこと。
  6. 住宅借入金等特別控除を受けていないこと

▼ 詳しくは国税庁ホームページをご確認ください。

 

私のケースが適用要件に当てはまっているか?

1~4について

29年1月に認定住宅の新築、引き渡しをうけて、引っ越ししました。

登記簿上の床面積は101㎡です。もちろん合計所得は3千万円もありません!

 

5について

私は28年の確定申告で自宅マンションを売却したことによる譲渡所得の確定申告をしました。

 

計算の結果、受け取った収入よりも経費がたくさんかかり譲渡損失が発生しました。

損失が発生しているので、居住用財産の譲渡所得の特別控除いわゆる3000万円控除は受けていません。

 

28年確定申告の時点で認定住宅新築等特別税額控除をうけることを考えていたので、3000万円控除を受けず、かつ税額も発生しないようにと、経費の根拠となる資料をかき集めました。

 

6について

自宅マンションを売ったときの収入や親からの贈与などで資金調達し金融機関からの借入をしなかったため、住宅借入金等特別控除を受けていません。

 

1~6全ての要件を満たしているため、認定住宅新築等特別税額控除を受けることができます。



控除額の計算と控除期間

控除額の計算

木造・鉄骨造の床面積1平方メートル当たりの標準的なかかり増し費用の額

43,800円(平成26年4月1日から平成33年12月31日までの間に居住の用に供した場合)

 

床面積

101㎡

 

標準的なかかりまし費用

43,800円×101㎡=4,423,800<650万(上限額)

 

税額控除の額

4,423,800×10%=442,300円(算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます。)

 

控除期間

原則、住み始めた年のみ。

ただし、住み始めた年の所得税の額から控除しきれない場合は残額を控除できます。

 

私の場合、居住年の所得税額が3万円程度だったので、約30万円翌年の所得税から控除できます。

絶対使い切れないでしょうけど(´゚д゚`)

 

必要書類

  1. 認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書
  2. 家屋の登記事項証明書(家屋の床面積が50㎡以上だと分かる書類)
  3. 工事請負契約書の写し、売買契約書の写し(家屋の新築年月日又は取得年月日や消費税額が8%だと分かる書類)
  4. 長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
  5. 住宅用家屋証明書若しくはその写し又は認定長期優良住宅建築証明書
  6. 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票

※ 平成28年分以降は住民票の写しは不要になりました。

 

1について

国税庁ホームページに所定の様式あり。

▼ 私が作成した計算明細書

1年目の認定新築住宅等特別税額控除の計算明細書

2について

取得から3か月以内のものを添付します。

 

3~5について

新たに取得する必要はありません。大切に保管しておきましょう。

 

確定申告書 第一表

㉟~㊲の認定住宅を〇でかこみ、区分に3を記載します。

認定新築住宅等特別税額控除 確定申告

 

申告から還付を受けるまで日数

私は2月9日に電子申告しましたが、還付金を受け取ったのは3月22日でした。

 

同じ日に提出した妻の確定申告の還付金は10日程度で入ってきたのですが、私の還付金はなかなか入ってきませんでした。



2年目の認定住宅新築等特別税額控除

1年目の認定住宅新築等特別税額控除で本来であれば446,100円の税額控除をうけることができましたが、私の税額控除前の所得税額は29,500円だったので控除しきれませんでした。

446,100円から29,500円を引いた残額416,600円が平成31年に繰り越されました。

 

そこで、平成31年に「2年目の認定住宅新築等特別税額控除」の確定申告をしました。

 

税額控除前の納付すべき所得税額

37,350円

 

前年から繰り越された税額控除額

416,600円

 

税額控除後の納付すべき所得税額

37,350-416,600<0

 

源泉徴収税額

37,712円

 

所得税の還付金額

37,712円

 

給与から源泉徴収された所得税が全額戻ってきました。

 

2年目の認定住宅新築等特別税額控除 必要書類は?

2年目の認定住宅新築等特別税額控除の必要書類は、いろいろな書類を集めた1年目と違って非常にシンプルです。

  1. 認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書
  2. 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票

 

1.認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書について

1年目に作成した計算書をもとに作ります。

1年目ほど記入する箇所はありません。

▼ 2年目の計算明細書

2年目の認定新築住宅等特別税額控除の計算明細書

 

▼ 1年目の計算明細書

1年目の認定新築住宅等特別税額控除の計算明細書

2.給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票について

職場で交付されますので大切に保管しましょう。

 

認定住宅新築等特別税額控除を受ける際の確定申告書 記載の注意点

㉟~㊲の認定住宅を〇でかこみ、区分に3を記載します。

認定新築住宅等特別税額控除 確定申告

 

確定申告から還付をうけるまで日数

2月1日に電子申告をして、還付金を受け取ったのは2月18日でした。

申告から還付金を受け取るまで1か月半を要した前年とは打って変わってスムーズに還付金を受け取ることができました。

 

3年目の認定住宅新築等特別税額控除は?

私のケースでは、平成30年、31年と2年間の確定申告で控除しきれなかった額が374,300円ありました。

 

412,300-38,000=374,300円

 

残念ながら、3年目に繰り越して認定住宅新築等特別税額控除をうけることはできません。

 

▼ コチラもご参考に

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