突然の電話…人事院の給与簿監査とは?|国家公務員 キャリアガイド

私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。

 

2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。

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人事院からの電話

ある日、人事院から電話がかかってきました。

 

「〇〇(私が働く官署)さんの△△(支局)の給与計算や勤務時間管理の状況について確認にお伺いしたいと思います。」

 

人事院の給与簿監査を実施するという電話でした。



人事院の給与簿監査とは

地域ごとに設置されている人事院が、各官署が給与・賞与計算などを給与法や人事院規則にしたがって適切に行っているかチェックにきます。

 

給与簿監査の時期と頻度

私が勤めていた官署では、10月、11月に監査がありました。

国家公務員一般職試験(大卒程度)が落ち着いてから、年末調整や賞与計算、定期昇給で忙しくなるまでの間のことでした。

 

一つの監査対象については、4~5年に1回やってきます。

監査対象が建物単位となるため、ある年はA支局、別の年は本局、また別の年にB・C支局といった感じで、結局のところ毎年のようにありました。

 

私が人事課で勤務していた5年間で4回、監査の応対をしました。

 

人事院の給与簿監査は1日で終わることが多かったですが、職員数の多い本局は2日かかったこともありました。

 

人事院の給与簿監査の人数

人事院は3名でやってきました。

2名がバリバリ書類をチェックし1名が責任者といった感じでした。

 

監査を受ける側は人事課長も含め人事課全員で対応しました。

支局が監査対象のときは支局の庶務担当者にも同席してもらいました。

 

人事院の給与簿監査の会場

監査は本局の会議室で対応しました。

 

会議室の真ん中に机と椅子を並べて、会議室の脇の方に書類を並べていました。

 

監査対象が支局のときは、支局で保存している出勤簿や休暇簿などをあらかじめ運んでおく必要がありました。

 

人事院の給与簿監査で準備しておく書類の一例

  • 基準給与簿(各月ごとの全職員の給与賞与の明細)
  • 職員別給与簿(職員一人一人の1年分の給与賞与の明細)
  • 各手当の認定簿、届出書、認定根拠
  • 期末手当・勤勉手当の計算資料
  • 出勤簿、休暇簿、欠勤届
  • 勤務時間報告書、超過勤務命令簿、特殊勤務命令簿
  • 人事記録
  • 初任給決定、昇給、昇格の書類
  • 病気休職、育児休業の書類

 

人事院の給与簿監査の電話案内をうけて日程決定すると人事院から監査決定の書面が送付されます。

その書面の中に当日までに準備しておく書類が示されていました。

 

給与簿監査の事前準備

もちろん監査当日、ただ書類を並べておけばいいわけではありません。

人事院の給与簿監査に対応するため、監査当日までに各書類の整合性について自己チェックをしておく必要がありました。

 

監査対象が本局の場合は各部署から出勤簿や超過勤務命令簿といった書類を人事課まで持ってきてもらい、監査当日までボチボチ確認し訂正してもらいました。

 

監査対象が支局の場合、書類は支局に保存されています。過年度分はともかく、現年度分は毎日押印・記入されているため、人事課で預かることはできません。

 

そこで人事院監査の2週間前に支局に出張し、自己チェックを行いました。



人事課員で支局を監査する

身内のチェックですが、給与簿監査の前哨戦なので、自分たち人事課員が監査をするつもりで臨みました。

 

主に行ったのは出勤簿と休暇簿・超過勤務命令簿の整合性チェック、超過勤務命令簿と勤務時間報告書の整合性チェックでした。

 

出勤簿と休暇簿・超過勤務命令簿の整合性チェック

休暇取得する職員や休暇の承認権者(部長・課長などの管理職員)が休暇の申請日に終日出張や休暇で不在ではないか。

 

超過勤務命令をする職員や超過勤務命令権者(部長級)が超過勤務を行う日に不在ではないか。命令権者不在日は代理者(課長級)から命令をうけているか、代理者も不在の場合は命令権者からの電話命令をうけているか。

 

休暇の申請日(=承認日)や超過勤務命令があった日に職員や承認権者・命令権者が不在であると整合性がとれず不正が疑われます。

 

毎日、休暇簿や超過勤務命令簿を記入し押印・決裁をもらっていればこのようなミスは起こりませんが、実際のところ、まとめて処理することが多いため、ミスが起こってしまいます。

 

超過勤務命令簿と勤務時間報告書の整合性チェック

超過勤務命令簿に記入された開始時刻・終了時刻・時間数に誤りがないか。

記入された時間数の1ヵ月の合計に誤りがないか。

勤務時間報告書の時間数と一致しているか。

 

超過勤務命令簿の時間数が間違っていると超過勤務手当の額も間違ってしまうので慎重にチェックしました。

 

超過勤務が22時を超えると単価が異なるため、正しく集計されているかを確認しました。

また、超過勤務命令簿には具体的な業務内容を記入しますが、不自然な点がないかをざっと確認しました。

 

修正が必要な場合

監査を終えると指導事項をまとめました。

 

修正が必要な箇所には付せん紙を貼り、支局の担当者に給与簿監査日までに修正してもらいました。

 

支給した給与が変動する可能性がある場合は、もう一度、該当職員や管理職員に確認をとってもらい、変動が生じた場合は次の給与で戻入または追給の調整を行いました。

 

支局職員と懇親会

監査は業務時間終了までみっちり行いました。

せっかく支局に出張したということで、支局職員と懇親会をしました。

 

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