2016年8月に出版された
新版 ひとり社長の経理の基本(著者:井ノ上 陽一)
税理士事務所職員として、毎月ひとり社長の会社を訪問して肌で感じた実体験を踏まえながら、本書のキーワードを読み解いていきます。
▼ はじめから
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▼ 関連コンテンツ書類整理で大切な時間とお金を失わないためにできること
交通費・自動販売機・お祝い・香典などレシート・領収書が発行されない支払いがあります。
お金を支払ったときメモを残していないと経費計上し忘れてしまいます。
現金残高管理をきちんと行っていれば計上し忘れても後で気づくことができます。
実務上はいったん個人の財布から立て替えて後で経費精算することが多いため、確認のしようがありません。
交通費 香典 お祝い 領収書が発行されないものは記録を残しておく
通帳にもメモをする習慣をつける
現金取引に限らず預金取引もその都度メモしましょう。
1ヵ月も経つと何でお金が入ってきたのか、出て行ったのか、すぐに思い出せなくなります。
お客様の中に「この入金はなんですか?」と確認しても思い出せず、入金元に内容照会する方がいらっしゃいます。
照会してもすぐに回答が得られない場合は無駄な待ち時間が発生します。
お金を支払った側も払ったにもかかわらず何でお金入ったのか聞かれるといい気分はしないでしょう。
入金されたお金に無頓着な人が陥る課題
このお客様は売上代金の未回収率が高かったのです。
入ってくるお金も出ていくお金もしっかり把握する必要があります。
不明な入金は全て雑収入に認定されてしまう可能性があります。
使途不明金は個人的な支出を行ったと判断せざるを得ません。
後から確認する時間は本当に無駄ですし、税務上不利益をうける可能性もあります。
現金・預金いずれも可能な限り書類はもらい、どうしてももらえない場合はしっかりメモしましょう。
消費税の納税義務が発生する前に「集める」力を鍛えておいた方がいい理由
毎月、月次巡回監査でお客様を訪問した際、クレジットカード会社から引き落としがあった場合はクレジットカードの利用明細を見せてもらいます。
利用明細を見ても何を購入したか、どんなサービスを受けたか、分からないことが多いのでレシートか領収書も確認します。
「捨てましたよ、だって利用明細あるし」
お客様にそう言われました。
たしかに利用明細には日付・出金相手・金額が書かれているので法人税・所得税には証拠になりえます。
問題は消費税です。
クレジットカード 消費税 仕入税額控除 領収書・レシートが必要
消費税で仕入税額控除をうけるには次の内容が記載された請求書等を保存しなければなりません。
- 書類の作成者の氏名又は名称
- 年月日
- 買ったもの、受けたサービスの内容
- 金額
- 自分の会社の名前
クレジットカードの利用明細の盲点
クレジットカードの利用明細だけでは「買ったもの、受けたサービスの内容」を基本的に確認できません。
利用明細だけで確認できるのはガソリンカードやETCカードくらいだと思います。
先ほどのお客様は設立2期目で消費税は免税だったので支障はありませんでした。
しかし、翌期から消費税の課税事業者となるため、その日からカード支払いのレシートも保存しておくようにお願いしました。
1回3万未満であれば会計ソフト入力時に内容をきちんと明記していれば仕入税額控除は認められます。
でもここで例外を認めると「集める」習慣づけができないので、全部保存してもらうようにしました。
▼ 大切な時間とお金を守りたいあなたにおすすめの一冊
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