大失敗!人事異動後の給与計算を誤った3つの原因とその対応|国家公務員キャリアガイド

私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。

 

2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。

↓ ↓

人事異動後の給与計算を巡る大失敗

人事異動の事務手続きをスムースに行うためには他局との連携が不可欠です。

特に、他局から転入してくる職員の転入月の給与計算は、他局から届く異動連絡票の情報をベースに行われます。

 

様々な悪条件が重なり、給与計算でとんでもない大失敗を起こし、職員とのトラブルになったときの話をします。

 

給与事務担当者の人事異動

そのトラブルは私が給与事務担当となった1年目に起こりました。

 

私は同じ人事課内の別の係の仕事をしていましたが、給与事務は初めてでした。

 

担当となった初月4月は、全く仕組みも分からず前任者に言われるがまま数字を打ち込むことしかできませんでした。

そのため、他局から転入してくる職員の情報は異動連絡票をもとに前任者が登録を済ませていました。

 

また、私が給与事務担当となったタイミングで係長・課長補佐も人事異動で担当が変わっていました。

課長はそのままでしたが、給与事務の実務担当者が総替えになっていました。



異動連絡票の情報の誤り

そんな状況で、他局から送られてきた異動連絡票の情報に誤りがあったのです。

 

誤りがあった箇所は俸給表の種類でした。

 

全国異動の職員の中には、配属される部署によって適用となる俸給表の種類が変更となる職員がいました。

異動前の官署では行政職(一)の俸給表が適用され、異動後の官署では専門行政職の俸給表が適用されるというケースがよくありました。

 

異動前の官署で適用されていた俸給表の種類に誤りがあったのです。

異動連絡票の情報に従い、前任者は誤った情報を登録していたのです。

 

給与特例法の適用

とどめを刺されたのは給与特例法が適用になったことでした。

給与特例法が適用となり、俸給が4.77~9.77%減額となる最初の月とも重なりました。

 

通常であれば異動前後の俸給が大幅に異なっていれば、異動後の俸給に誤りがある可能性があると気づくことができますが、比較がしづらい状況でした。

もちろん、職員本人も気づくことができませんでした。

 

なぜ給与計算の誤りに気付いたのか?

給与計算の誤りに気付いたのは私でした。

 

誤りに気付いた時期は人事異動から半年が経った10月半ばでした。

年末調整の準備のために他局から送付された職員別給与簿を確認していました。

 

職員別給与簿とは?

職員別給与簿とは職員一人一人の給与・賞与を記した書類のことで、労働基準法でいうところの賃金台帳にあたります。

給与支払者である各官署ごとに暦年(1~12月)で作成します。

 

そのため、年の途中で人事異動があると異動後の官署は異動前の官署が作成した職員別給与簿を送付してもらう必要があります。

職員別給与簿は、その他の人事関係書類といっしょに人事異動から早ければ2週間、遅ければ半年くらいで送付されます。

 

送付されても内容を詳しくチェックすることはなく、すぐにファイルにつづります。

他の官署が行った給与計算に文句を言うわけにもいかないので。

 

職員別給与簿は給与計算システムから出力することができます。

 

年末調整をするために、異動前の給与を登録する必要があった

当時の給与計算システムは他官署とネットワークで連携されていませんでした。

そのため人事異動があると異動連絡票の情報を給与計算システムに登録する必要がありました。

 

他官署で行った給与計算結果を自動共有することができなかったため、異動前官署で支給された給与・賞与の額を職員別給与簿をみながら登録しなければ年末調整することができませんでした。

年末調整をするために職員別給与簿の情報を登録していたときに、ある数字に違和感をおぼえたのです。

 

3月と4月の「俸給(基本給)」が、同じくらいの額をもらっている職員と比較すると、減少幅が小さかったのです。

 

給与特例法による減額

3月まで俸給が40万くらいだった別の職員は、給与特例法で7.77%減額され4月から37万くらいでした。

その職員は3月まで42万、4月から41万と減ってはいますが、1万、減額率にして2.38%しか減額されていたかったのです。

 

給与計算の誤りに気付いた私がとった行動

不運が重なり他局から人事異動で転入してきた職員の給与計算を誤ってしまいました。

私が、給与計算の誤りに気づいたのは人事異動から半年後以上が経った10月中旬のことでした。

 

前任者に話を聞きに行く

給与計算の誤りに気付いた私がとった最初の行動は前任者に話を聞きに行くことでした。

 

他局から提供された異動連絡票をもとに給与計算システムなどに人事情報を登録したのは前任者だったので、当時の詳しい状況を知っているからです。

 

もしかしたら特別な事情、特例があるかもしれない。

一縷の望みをかけて、前任者に事情を聞きにいきました。

 

しかし私が状況を説明すると「異動連絡票の内容までは細かくチェックしていない。異動連絡票のとおりに登録しているから、異動連絡票が間違っていたら間違っているかも。」と言われました。

 

異動連絡票の内容を細かくチェックしていない前任者は悪くありません。

繁忙期で細かいチェックはできないですし、人事関係書類が不十分なのでチェックしようがないからです。



係長に相談、異動元に確認

前任者に「特別な事情はなく、異動連絡票のとおり登録した」と言われ給与計算が誤りの可能性がさらに高まりました。

 

次は直属の上司である係長に状況を報告しました。

 

  • 年末調整にむけて職員別給与簿を確認していたら数字がおかしいことに気付いた。
  • 前任者に確認をとったら特別な事情はなく異動連絡票とおりに情報登録した。

 

係長から異動連絡票を作成した異動元に電話してもらうことにしました。

異動元からはすぐに回答してもらえず折り返しの電話を待つことにしました。

 

係長が電話してから30分後。折り返しの電話がかかってきました。

 

「異動連絡票、間違っていましたので、正しい内容のものを送りますね。」

悪びれる様子もなく、そう言われたようです。

 

係長と二人で「ふざけるな!」と怒りに震えましたが、異動元を恨んでも何の解決にもなりません。

 

課長に報告

異動元にも確認して給与計算が誤っていたことが確定しました。

係長と二人で課長に報告することにしました。

 

と言っても、課長も同じ部屋の中で仕事をしているので「やばいかも」という途中経過は話していました。

 

課長も異動元の無責任な言動に「ふざけるな!」と怒りました。

しかし給与支給したのは自分たちなので責任をとらなければいけないのは自分たちです。

 

「誤って支給した金額を計算して書類にまとめて。その書類をもって職員に説明に行こう」

課長から次にとるべき行動の指示をうけました。

 

▼ 続きは・・

▼ コチラもご参考に

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です