私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。
2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。
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年末調整の準備
10月に入ると、年末調整の準備をはじめました。
まずは、年末調整書類提出の依頼文書を作成しました。
依頼文書は前年に作成した書類をもとに提出書類・提出期限・提出先をアップデートしました。
依頼文書の案ができたら人事課内で確認してもらい、決裁が下りたら職員全員にメールします。
年明け・転入時に提出してもらった扶養控除申告書を職員に返却し、記載内容に変更がないか確認してもらいます。
あわせて保険料控除申告書も配布し記入してもらいました。
紙媒体から電子媒体へ移行
担当1年目は申告書を紙で配布していました。
2年目以降は申告書のエクセルデータをインターネット上で見つけて、加工してメールで送りました。
エクセルデータに関しては、手書きだとゴチャゴチャして書きづらいから助かったと基本的には高評価で、ほとんどの職員がエクセルデータに入力した申告書を印刷していました。
一方で「税務署で印刷した申告書でなければダメだ」という職員もいたので、要望があったら税務署から郵送された申告書を手渡ししていました。
年末調整の事務処理
依頼文書をメールし申告書を配布すると、早ければその日のうちに提出する職員もいました。
申告書を提出してもらうと内容を入力していきました。
業者が作成した給与計算システム、歴代担当者から引き継がれたエクセル、2つに入力しました。
法改正への対応
所得税法改正があるとエクセルは内容を自分で更新していかなければならないので、年末調整の仕組み・計算手順をきちんと理解しておく必要がありました。
- 平成24年に大幅に見直された生命保険料控除
- 平成25年に導入された復興特別所得税
これらの法改正に対応しました。
生命保険料控除の改正ではエクセル計算式の場合分けが何パターンも発生し苦労しました。
復興特別所得税もシステムで計算された値と一致せず、計算過程を一つ一つ確認し原因を突き止めました。
提出期限は守ってもらえる?
提出期限を11月中旬にしていましたが遅れる職員はいませんでした。
「提出期限を過ぎた場合、自身で確定申告してください」と依頼文書に赤太字で書いた効果があったのかもしれません。
賞与と給与 2回の年末調整
私の働いていた官署では、2回年末調整して年税額を確定していました。
12月10日支給の12月賞与、12月16日支給の12月給与の2回です。
12月賞与の計算時点では、12月給与は未確定のため見込額で計算していました。
11月給与と同額の課税収入、共済掛金、所得税を見込額としていました。
2回も年末調整をする理由
わざわざ2回も年末調整していた理由は「年内最後の12月給与で年末調整すると還付額が増えて会計的に問題が出てくるから」と言われていました。
なお、人事院勧告で差額支給がある場合は、差額支給のタイミングによっては3回 年末調整をする必要がありました。
1月給与で再年末調整を行うこともある
12月期賞与と12月給与で少なくとも2回、人事院勧告の差額支給もあれば3回、年末調整を行い職員一人一人の年税額を確定させます。
基本的には年内で確定しますが、配偶者特別控除を申告する職員で配偶者の所得見込み額と実際の所得に差異が生じ、控除額が変更になってしまうケースがありました。
その場合は正しい控除額で再年末調整を行い、1月支給の給与で追加徴収または還付を行い、年税額を確定させました。
給与所得の源泉徴収票の発行
人事院勧告の差額支給がない年は12月給与の支給が終わると、源泉徴収票の発行に取り掛かりました。
取り掛かると言っても、給与計算システムの源泉徴収票発行メニューを選んで印刷するだけです。
給与所得の源泉徴収票は税務署から複写式の用紙を入手し、専用の機械で印刷しました。
各職員1枚は源泉徴収票を発行しますが、複数枚の発行希望があるか確認をとりました。
職員への源泉徴収票は1月分の給与明細と同時に配布するようにしていました。
要望がある場合は、先に配布することもありました。
給与計算システム未登録者の給与所得の源泉徴収票
- 支局の非常勤職員
- 外部専門家を集めた部会のメンバー
上記の方の給与を給与計算システムで計算していませんでした。
そのため、インターネット検索で給与所得の源泉徴収票のexcelデータを探して、excelで作成したものを印刷していました。
税務署への提出書類を作成
職員の給与額に応じて給与所得の源泉徴収票の提出の有無を判断し、提出対象者の給与所得の源泉徴収票を印刷しました。
会計課で管理している講師謝金一覧を入手し、報酬の支払調書を作成しました。
支払調書はシステム対応しておらずexcelで1件1件作成していました。
給与所得の源泉徴収票・支払調書のデータ、さらに退職金支払い時に発行する退職所得の源泉徴収票をもとに法定調書の合計表を作成しました。
現在は分かりませんが、提出対象の源泉徴収票・支払調書を紙で打ち出し、法定調書の合計表は手書きで作成し、税務署の窓口まで持参していました。
なお私の官署では「不動産の使用料等の支払調書」の発行はありませんでした。
市区町村への提出書類を作成
職員が居住する市区町村に提出する給与支払報告書・総括表を作成しました。
給与支払報告書は非常勤職員もふくめて原則全員提出のため、税務署提出書類より膨大な紙が必要でした。
提出する市区町村は50以上あり、単身赴任の職員もいたため、郵送提出するのも一苦労でした。
提出前には決裁が必要
書類作成したら担当者が勝手に提出してはいけません。
職員配布用、税務署提出用、市区町村提出用それぞれの書類の提出案と根拠書類を準備して決裁をとります。
無事に決裁を終えると提出用書類を印刷し提出しました。
1年目は1月末の提出期限ギリギリでしたが、2年目以降は1月20日頃には提出できました。
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