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現金は持たない!?共済組合の経理の現場|国家公務員 キャリアガイド(37)

元採用担当者が語る国家公務員一般職試験

私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。

 

2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。

 

共済組合の経理

現金は持たない、全て通帳で管理

 

共済組合のお金の出し入れは全て通帳で行っていました。

1つの通帳で全てのお金の出し入れをするのではなく、4部門で5つの通帳を持っていました

 

それぞれの通帳は独立しており、人間ドック部門で資金が不足したからといって貸付部門から流用することはできませんでした。

人間ドック部門に関係する支払いは人間ドック部門に入金された資金で支払う必要がありました。

 

月に3,4回銀行へ

入金確認のための通帳記帳、本部・病院などの取引先・職員への支払いのために月3,4回は銀行に行く必要がありました。

 

銀行は歩いて15分ほどの位置にあり、銀行への外出は基本的にいい息抜きになりました。

 

月末の銀行は大変混みあっていて、1時間近い待たされることもありました。

繁忙期に待たされると精神的な負担が大きかったです。

 

私が係長に昇任してインターネットバンキングを導入してからは、月末に1回、通帳記帳に行くだけでよくなりました。

 

全ての取引に承認決議が必要

通帳内の全ての取引について承認をうける必要がありました。

 

給与天引きした共済掛金・共済貸付返済金は毎月給与のたびに受入書を作成しました。

本部からの回送金や預金利息も受入書を作成しました。

 

全ての入金の根拠を明らかにする必要がありました。

 

受入書とは別に専用システムで複式簿記伝票を作成しました。

同様の取引があるものがほとんどなので、過去に起票した伝票を参考に作成しました。

 

貸付、人間ドックなどの支払いをする前に支払決議書を作成し承認をうけます。

出金は入金以上に根拠を事細かに残す必要がありました。

 

その金額を出金した理由を計算書や規則・事務取扱要領などを添付して承認をうけるひつようがありました。

1円多くても少なくてもダメでピッタリの金額を支払うことが求められました。

 

出金も支払決議書とは別に複式簿記伝票を作成しました。

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やっぱりミスる

最初は過去に起票した伝票を参考に作成していましたが慣れてくると、頭の中で考えて伝票作成しました。

 

「これ貸方と借方が反対だよ」係長に指摘されました。

日商簿記3級で不合格になったミスを実務でもやらかしました。

 

支払いには2つの印鑑が必要

支払決議書・伝票を作成し承認をうけたら、支払いにいく準備をします。

 

あらかじめ銀行で振込依頼書をもらってきて庁舎内で記入し銀行印を押印します。

銀行印も2つ押す必要があります。

 

出納担当者と出納責任者の2つの印鑑を押印することで、担当者が簡単に振込できなくする管理体制を構築することが目的です。

 

銀行印は持ち出し厳禁なので、もしも振込先等に誤りがあった場合は、一度庁舎に戻って振込依頼書を再作成しなければなりません。

 

支払期日も確実に守らなければならないので、ミスがあってもいいように銀行に行くのは午前中にしていました。

 

こんなガチガチの経理をしていたので税理士事務所で飲食店の経理を目の当たりにしたときは衝撃をうけました。

当時を思い出して記事を書いていますが「何のためにこんなことするんだろう」と感じていたガチガチの経理体制の意味するところが分かる気がします。

 

これだけ厳重にすれば国民の皆様に対して「絶対間違いのないようにお金を扱っています」と証明することができます。

 

 

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