2016年10月に出版された
アルバイト・パート[採用・育成]入門―――「人手不足」を解消し、最高の職場をつくる(著者:中原 淳)
統計データをベースに「アルバイト・パートを採用し辞めさせない職場づくりのヒント」がたくさん掲載されています。
国家公務員採用担当者の経験、税理士事務所で関与先企業を毎月訪問し肌で感じる現場の実態を踏まえながら本書のキーワードを読み解いていきます。
▼ 記事をはじめから読むときは
人手不足時代到来、中小零細企業の社長の声を聞いてみると
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より長く続けてもらうために必要なこと
古参アルバイトは、教育することで自分のシフトが減らされることを嫌がる
自分が教育した新人が成長することは喜ばしいことです。
会社の成長にもつながりますし、自身の負担軽減にもつながります。
しかし成長した結果、自分にデメリットが及ぶといい気分はしません。
労をねぎらい、しかるべき差をつける必要があります。
私が訪問するお客様で、教育担当者が新人よりシフト日数の関係で賃金が少なくなり険悪ムードになってしまったことがありました。
就業規則が整備され規則通りに運用されている場合を除いては、新人を採用するときは、あわせて現在いるスタッフの処遇について検討する必要があるでしょう。
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時給は「上がり方」が重要
昇給はタイミングが大切です。
時給は基本給です。
基本給は経験値に応じて上げていく形をとらなければ、自分の働きぶりが評価されていないと感じてしまいます。
私の関与先様でも実際にありました。
新入のパートにベテランのパートとほとんど変わらない時給で払おうとしたところ、ベテランのパートさんが不満をもらしました。
「研修期間中として3か月は、時給を下げてもいいんじゃないですか」と言われましたが、「ハローワークに提出している求人票に研修期間中の時給を書いていないので、このままでいく」と社長は判断しました。
新人パートはすぐに慣れて戦力になったので不満はなくなりましたが、教育する側と教育される側の時給がほとんど変わらない状況はよろしくありません。
また業績がいいときだけ時給を上げて、よくないときは据え置きという形をモチベーションが下がってしまいます。
基本給は少しずつ上がり続けることが重要です。
「研修見習い卒業したから上げる」というように明確な理由なく一度でも急激に上げると変な期待を抱かれてしまいます。
「経験値は増えているのに、お店に貢献しているのに、なんで上がらないんだ」という不信感をもってしまったら続けていくことは困難でしょう。
時給に限らず、給料・賞与は使用者から労働者に対するメッセージだと思って、理屈や根拠が説明できるようにしておきましょう。
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職場で本当に必要なコミュニケーションとは!?
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