2018年5月に出版された
“自己実現という罠: 悪用される「内発的動機づけ」(著者:榎本 博明)”
▼ このページのコンテンツ
本書から学んだこと
- 仕事にやりがいを感じるべきか
- 仕事で成長しなければならないのか
- 欧米型「自己中心の文化」侵食
- 自己実現は簡単にはできない
今回の記事で紹介する内容です。
▼ はじめから読む・・
自己実現の罠にはまった私の経験を振り返る
欧米型「自己中心の文化」侵食
目の前のことに集中し続けていたら、自然と仕事へのやりがい、仕事をとおしての成長を手に入れることができますが、気をつけなければならないことがあります。
それは欧米型の「自己中心の文化」が日本においても拡がり悪用する者が増えているからです。
欧米は「自己中心の文化」 欧米人は相手を困らせようという考えはなく、あくまでも自分の都合で動く。
日本は「間柄の文化」 伝統的な日本型雇用は、会社が苦しいとき従業員は雇用主の気持ちを配慮しつつ目の前の仕事に全力を尽くす。雇用主も従業員のために必死になって事業の方向性を模索する。
欧米型の自己中心の文化
「利害が衝突し自分にとって都合のよい選択した場合で、結果的に相手が困ることはあったとしてもお互い様」
日本式の間柄の文化
「従業員・雇用主がお互いを思いやり、ときには自分を犠牲にしてでも頑張る」
欧米と日本の文化の違いは明らかでした。
雇用主側「自己中心の文化」 従業員が従来の日本的感受性で働くとき、やりがい搾取がうまれる。
雇用主は従業員に比べ様々な情報を耳にします。
数多の情報のうち、表面上の自分に都合の良い情報だけを取り入れてしまう可能性があります。
経営者向けのセミナーや書籍の中には欧米的な考えを広める内容のものもあります。
片方が「自己中心の文化」もう片方が「間柄の文化」
この歪みは確実に問題を引き起こします。
自己実現系ワーカホリックは非常に便利な存在。企業によるやりがい搾取の格好の餌食
報われない労働にも「強いられた」ことを意識せず「自発的」にのめり込んでしまう
「仕事にやりがいを感じたい」「仕事で成長したい」という思いをもった「ノー」と言えない日本人はいい様に使われて、使い捨てられてしまいます。
仕事の一番の前提は「賃金をもらうこと」です。
この前提を無視して「やりがいや成長を求める会社」「人間関係のよさを前面に出して、賃金や労働時間の悪条件をごまかす会社」はブラックです。
過労死の事件報道が増え「自分の能力・個性が活かせる」「仕事が面白い」の回答数が低下し「楽しい生活ができればよい」回答数が増加する傾向にある。
従業員側もやりがい搾取のトリックに気づいてきていると言えます。
日大選手の悪質タックル問題やレスリング協会のパワハラ問題も管理する側、管理される側の関係性に変化が生じていることを感じさせる出来事です。
雇用主・管理する側に続き、従業員・管理される側にも「自己中心の文化」が浸透しつつあると感じています。
「自己中心の文化」が浸透する以上、自分の身は自分で守る必要があります。
目の前の仕事に集中することに加えて、その状況を冷静に俯瞰できる力を養っていくことが必要です。
また、自分の身に危険を感じたら自分のことを第一に考え、撤退できるようにならなければなりません。
▼ 続きは・・
自分が仕事に求めることが分かるテストをやってみた
▼ 自己中心文化から身を守れ
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