2017年12月に出版された
受かる面接、落ちる面接 人事経験者だけが知る採用と不採用の境界線(著者:兵頭秀一)
国家公務員一般職・期間業務(非常勤)職員の採用担当の経験を振り返りながら、本書の紹介します。
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内定辞退のジレンマとの闘い
採用担当者としては、できるだけ優秀な応募者を採用したいです。
それは、どの会社でも役所でも同じことが言えます。
しかし、優秀な応募者ほど内定を出したけれど辞退されるリスクがあります。
最終合格者名簿の中から早いもの勝ち
国家公務員一般職の採用は、最終合格し名簿に名前が残っている方しか面接することはできません。
最終合格後は多数の合格者が名簿に名前がありますが、1ヵ月もすると進路が決まっていき半数以下になります。
優秀な応募者に内定を出して辞退されると名簿に残った半数以下の方と面接する必要があります。
最終合格後1か月後の採用活動の実態
最終合格から1ヵ月後
優秀な応募者は内定が決まり名簿から名前が消えてしまいます。
そのため、最終合格直後はチャンスのなかった応募者と面接をして内定を出すことになります。
引く手あまたの優秀な応募者に内定を出して辞退されるリスクを負うよりも「そこそこ優秀な応募者」に内定を出して確実に来てもらいたいと考えます。
優秀だけど入社してくれるかどうか分からない応募者。
それほど優秀ではないが確実に入社してくれそうな応募者。
内定辞退や急な退職者、人気官庁の立場が一気に弱くなる!?
官庁では内定辞退や急な退職者が出ると、人事院に連絡して合格者名簿に残っているリストを送ってもらいます。
官庁側としては欠員を出したくないので、名簿に残っている人の中から内定を出すことになります。
最終合格直後の採用面接では内定出さなかったレベルでも内定を出すことになります。
「元気に通ってくれればいい」とある程度の欠点には目を瞑ります。
これは人気官庁でも同じことが言えます。
どんな官庁でも諸般の事情により採用枠が増えることがあります。
とある年の秋口、割と人気のある官庁の採用担当と話をする機会がありましたが「採用枠がうまらない」と嘆いていました。
なお国家公務員一般職試験では最終合格直後で半分以上は進路が決定し、名簿から姿を消します。
3か月後、50~80名になっていたと思います。
年明け30名を切っていました。
国家公務員一般職試験に最終合格したら最後まであきらめずに採用情報をチェックしてください。
早急に人が必要なときは実際より高く評価
.
採用活動の答えはすぐには分からない
優秀とかそこそこ優秀とかいう話をしましたが、何をもって優秀なのかそうでないのか。
働いてもいないうちから採用面接だけで分かるはずがありません。
面接ウケのいいプレゼンスキルの高い方が優秀と面接では判断されますが、公務の職場ではプレゼンスキルだけが全てではありません。
- じっくりと法律を読み込むスキル
- パソコンをつかって効率よく事務処理をするスキル
- 窓口などで来庁者対応するスキル
様々なスキルが求められます。
人事異動をとおして様々な分野の仕事を経験しながらスキルを身につけていきます。
面接時点での完成度
採用担当者の感覚としては、面接時点での完成度は、女性志望者の方が高いように感じました。
面接時点では頼りないように感じた男性も、実際に働いてみると問題なく、プレゼンスキルも含めて成長していました。
国家公務員の新卒採用は定着率が高いので、社会人として一から育てていくものです。
たとえ総合職であったとしても、いきなり組織の中枢を担うことなく、総合職のキャリアパスに沿って一から育成していきます。
面接官をそんな遠い未来のことまで想定して内定を出すことは不可能です。
即戦力性は求めない
「この子と一緒に働いてみたい」
「この子なら組織を明るくしてくれるかもしれない」
戦力とか問題ではなく、最終的にはフィーリングになってきます。
「この子と一緒に働いてみたい」と思わせるには、まず自分が「ここで働きたい」という気持ちを高めていくことだと思います。
気持ちを高めていくためには官署への関心を持つことです。
官署のことをホームページなどで調べ、自分の言葉でメモを書いていきましょう。
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