私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。
2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。
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どこに出張するかによって処理が異なる
国家公務員が官署外で業務を遂行する場合、出張する場所によって現地までの交通手段や交通費精算の手続きが異なります。
いくつか例を挙げて紹介します。
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官署のある市内の出張は?
官用車を利用
官用車を利用する場合は事前予約が必要でした。
総務課に前日までに申し込みしなければいけません。
官用車の運転手は、派遣会社からやってきているので、利用時間厳守でした。
事業法監査に時間がかかると帰りは利用できなくなってしまうので官用車で会社に訪問したときは時間との戦いでした。
当初は官用車の運転手は2人いました。
その後、官用車のうち1台は職員が運転することになりました。
自転車を利用
官署の近所の会社には自転車で行くこともありました。
出張当日、総務課で申し込みをして自転車のカギを借りました。
公共交通機関を利用
同一市内で電車やバスなど公共交通機関を利用する場合は、出張前にプリペイドカードを借りる必要がありました。
プリペイドカードで乗車するので事後精算は不要で、借りたカードを返却すれば事務処理完了となります。
プリペイドカード → ICカード へ移行
入庁当初は普通のプリペイドカードを利用していましたが、何年か経つとICカードになりました。
定期券をもっている区間は通勤定期券を利用し、定期券の区間外はICカードを利用しました。
このためICカード運用当初は大混乱でした。
定期券とICカードは併用できなかったため、いったん定期券の駅で降りて再入場するように言われました。
それはやりすぎだろうということで改められましたが、10円単位で無駄な出費はないかギリギリ言われていました。
官署のある市外の出張
旅費請求
官署のある市外への出張の場合、旅費法に基づき出張旅費請求をする必要がありました。
いったん全額を立て替えて出張後に書類を揃えて会計課に提出しました。
会計課に提出すると早ければ1週間。遅くて1ヶ月で旅費が振り込まれました。
会計課の担当者によって旅費精算までの日数は大きく異なりました。
最も合理的で経済的な経路って何?
出張の経路は「最も合理的で経済的な経路」を利用する必要がありました。
たとえば、JRと私鉄が並行して走っている区間を移動する場合。
JRの方が移動時間は早くても、私鉄の方が安いと私鉄を使わなければいけませんでした。
もっとも衝撃的だったのが、東京へ出張したときに「のぞみ」を利用できなかったことです。
厳密にいうと利用はできるのですが「ひかり」指定席との差額は、自腹を切るように言われました。
出張旅費の日当の額は?
出張すると日当が支給されました。
入庁当初(行政職(一)1級)は次の通りでした。
- 100km以上の出張の場合は1700円
- 100km未満の出張の場合は850円
その後、日当の構成要素は半分が昼食代、半分が通信費などの諸雑費という解釈になりました。
- 出張先で昼食をとれば半分(850or425)
- 出張先で自分の携帯電話をつかって官署に連絡をとれば半分(850or425)
昼食もとらず電話もしなければ日当0円に変わりました。
昼食代を請求したければお昼をまたぐように出張計画書を作る必要がありました。
旅費請求に必要な書類は?
旅費請求の書類も入庁当初は計画書・復命書・請求書の3点でしたが、途中から計画確認書が加わりました。
この計画確認書がとても煩雑でした。
公共交通機関の発着時間を「駅すぱあと」というソフトで検索し記載する必要がありました。
通勤定期券を所持する区間は減額調整区間としてその旨記載する必要がありました。
私が入庁してから旅費ルールが厳しく見直されました。
何度もルールが見直され、そのたびに書類作成の手間が増え、もらえる旅費の金額は減っていきました。