私は2007年の近畿地区の国家公務員一般職試験(当時のⅡ種試験)に合格し、同年10月から出先機関で働くことになりました。
2016年3月に自己都合退職するまでの8年半の公務員生活を記事にまとめました。
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▼ 関連コンテンツ事業法監査とは?
前回紹介した統計や事業計画変更は事業者が役所に書類を提出にきます。
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逆に、事業者の会社へ訪問し内容をチェックに業務があります。
これが「事業法監査」です。
事業法監査は、何も問題はなくても何年かに1回は受けることになります。
監査通知書を発行、監査前に書類を準備してもらう
まずは事業者に監査を行う旨の連絡をして通知書を準備します。
通知書を渡すタイミングで、監査前にあらかじめ作成しておく書類(主に、人員や機械の一覧リスト)の案内をします。
この書類を作成する段階で事業計画の変更の手続きをすることが多かったです。
本当は変更してから1か月以内に提出するのがルールですが、忘れてしまっていたからです。
監査当日、会社で保管する書類と突合
監査当日はあらかじめ作成してもらったリストをもとに、
- 人員については「賃金台帳」
- 機械については「検査証」
それぞれ見せてもらい突合していきます。
機械は、監査して実存していないことが発覚することもありました。
その場合は後日、事業計画変更の手続きをしてもらいます。
係長や課長補佐クラスになると、業界の動向をヒアリングしたり、ダンピングが行われていないか料金のチェックをします。
一通りチェックをしたら別室で打ち合わせをして、事業者に伝えることを確認します。
そして監査の講評として、手続きをしてもらうことや是正してもらうことをお伝えします。
監査報告書を作成 是正措置を報告してもらうことも
監査は行きっぱなしではなく、監査報告書を作成します。
監査の内容を記録として残します。
事業者によっては是正通知を発行し、文書で是正結果を求めることもありました。
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印象に残っている事業法監査は?
入社1週間 初めての事業法監査
入社して2,3日経った日のこと。
係長から突銭言われました。
「今監査シーズンなんやわ、一緒に付いてきてもらうからな」
もちろん意味不明でしたが「わかりました!」と答えました。
そこから監査日まで「監査で何をすればよいか」「名刺の渡し方・受け取り方」を教えてもらいました。
監査当日がやってきました。
官用車で会社まで送迎してもらいました。
会社に着くと係長と同年代の方が出迎えてくれました。
会議室に案内されると、急にビクビクしてきました。
想像よりも大きかったです・・・
入社初日に案内された局長室のような雰囲気で広さは10倍。
私はさらに凍り付いてしまいました。
出迎えてきてくれた方以外にも次から次に立派な雰囲気の方が入ってきました。
名刺交換が始まりました。
常務取締役・専務取締役と偉い肩書の方4人と名刺交換していきました。
もらった名刺をどう持っておけばいいか分かりません(*_*)
パニックです。
最後に「代表取締役社長」とも名刺交換しました。
一番冷や汗が出ました
監査が始まる前からグロッキー状態でした。
最初のあいさつを終えると監査が始まりました。
庁舎で打ち合わせしたとおり「書類を持ってきてください」と声をかけました。
すると常務取締役の方が「分かりました」とすぐに書類をとりにいきました。
「ここリストと違うんですけど」と私が言うと「確認して参ります」と慌てて走っていきました。
何もわかっていない新人に、あんなに会社のお偉いさんが頭を下げられるなんて・・・
役所ってとんでもないとこだなと改めて思いました。
監査が終わってから係長に言われました。
「ペコペコされたかもしれへんけど、わしらは謙虚にせなあかんからな」
試されている!?
入社4か月、係長に同行し何度も監査を訪れたので慣れてきました。
とある監査で係長が席を外したときに、会社の方が質問してきました。
「〇〇は△△という理由で許可の範囲内と考えるのですがいかがですか?」
簡単な数字のチェックはできるようになりましたが、許可の範囲など難しい法解釈はできませんでした。
ニヤニヤとこちらを見てきたので、しどろもどろになりながら「係長に確認します」と答えました。
後で係長に相談すると
「それでいいわ。たとえ新人の発言でも相手は役所の見解と考えるからな。きちんと調べてお答えしますでいいからな。」
役所で働くことの怖さを学んだ出来事でした。
▼ 続きは・・