遺族年金をもらっている親を扶養申告|年末調整の実務経験(1)

資格の勉強を実務で活かす。

私が資格の勉強するときに常に意識していることです。

  • FP技能士検定(ファイナンシャルプランナー)
  • 巡回監査士補・巡回監査士

資格の勉強で身につけた知識を活かして、人に喜んでもらった事例を紹介します。

↓ ↓

「年末調整」は資格の勉強をフル活用できる

経理(給与計算)担当者、税理士事務所職員の年末の一大イベント「年末調整」の時期がやってきました。

 

年末調整に必要な書類「扶養控除等申告書」「保険料控除等申告書」は、そもそも何を書けばいいか分からない人が多いと感じます。

たとえ担当者であっても、前年をベースに作業を行うため、本質を理解して「年末調整」業務に取り組んでいる人は、そう多くないでしょう。

 

「FP技能士検定」「巡回監査士補」の勉強では、所得税の所得控除の種類について体系的に学ぶことができます。

この学びを実務に役立てることで、人に喜んでもらうことができます(*^▽^*)



親を扶養親族として申告する。

これが結構、見過ごされがちです。

 

特に「遺族年金」を受給していて、年間180万くらい収入があるお母様。

 

「遺族年金」は非課税所得で、年末調整で扶養親族と申告する際の所得の計算には、加える必要はありません。

 

遺族年金を受給している者の所得計算

  • 遺族(厚生)年金 100万円
  • 老齢基礎年金 80万円

以上を受給している場合

 

所得の計算に加えるのは「老齢基礎年金」80万円のみです。

80万円から年金収入に対する控除額(65歳以上120万円)を差し引くと、所得は0円です。

 

年末調整で所得税法上の扶養親族として申告できます。

 

誤りがちな計算

「遺族(厚生)年金」100万円を計算に加えて180万円と考えてしまいがちです。

年金収入180万円に対して、控除額(65歳以上120万円)を差し引くと、所得60万円になります。

 

年末調整で、所得税法上の扶養親族は所得38万円以下でなければ申告できません。

 

扶養の考え方が異なることが原因

  • 健康保険(保険証)の扶養
  • 会社の扶養手当の扶養

これらの扶養の所得上限の計算には「遺族年金」の額も加える必要があるため、年末調整と保険証・手当とで所得の考え方が違うことが原因です。




私が遭遇した事例

遺族年金を受給しているお母様をもつ職員で、保険証の扶養には入っていたのですが、税法上の扶養には入っていない事例がありました。

職員本人も何のことだが分かっておらず、私の前任・前々任も前年に従い事務処理をしていたので、完全に放置されてきました。

 

職員本人に「年末調整の扶養に申告でき税金が戻ってくるかも」と説明し、詳しい収入内訳を確認しました。

確認の結果、扶養親族に該当することが判明しました。

 

その年の年末調整はもちろん、5年分の源泉徴収票を再発行し還付の確定申告をしてもらいました。

 

同居の70歳以上の親は所得税58万円、住民税45万円の所得控除をうけることができるので、その職員は1年あたり約10万円、合計で約50万円の税金が返ってきました。

 

勉強したことを活用する!という意識付けを。

「FP技能士検定」「巡回監査士補」の知識を活かせば、会社の同僚、関与先様に喜んでもらえます。

資格の勉強で身につけた知識は活用していきましょう!

 

 

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